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【2026年】越境ECに利用できる補助金3選!それぞれの概要や金額・要件を解説

7 日前
読了時間: 12分

越境ECの開始には、サイト構築や海外向け広告、配送体制の整備などの費用がかかります。初期投資の負担を抑えるには、国の補助金の活用が選択肢のひとつです。ただし、越境EC専用の制度はなく、対象経費や申請条件は補助金ごとに異なります。


本記事では、越境ECに利用できる補助金を3つ取り上げ、金額・要件・募集期間を2026年10月時点の情報で解説します。あわせて、自社に合う制度の選び方と、申請時に注意したい点も紹介します。


越境ECに利用できる補助金

越境ECの立ち上げや海外販路の開拓には、サイト構築費や翻訳費、広告費、物流体制の整備費用などがかかります。越境EC専用の補助金が全国一律で用意されているわけではありませんが、国や自治体などが実施する補助金のなかには、越境ECに活用できる制度があります。


越境ECに活用できる制度として、海外展開や販路開拓、ITツールの導入を支援する国の補助金が挙げられます。ここでは、越境ECで使える代表的な3つの制度について、概要と補助金額、応募の要件、募集期間を解説します。


なお、紹介するもの以外に地方自治体が独自に実施している補助金制度があります。公募期間が終了している制度もあるため、自治体の最新情報を確認しましょう。


①新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、2026年度から始まった制度です。ものづくり補助金と新事業進出補助金を再編した制度で、「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つの申請枠が設けられています。


越境ECと相性がよいのは、海外市場の開拓に向けた国内の輸出体制の強化を支援するグローバル枠です。海外向けの販売システムの構築費のほか、通訳・翻訳費や海外旅費なども、対象経費として挙げられています。ただし、機械装置・システム構築費か建物費のいずれかを必ず含める必要があるなど、枠ごとに条件が異なるため、確認が必要です。



補助金額

グローバル枠の補助率は、中小企業の場合2/3です。補助上限額は従業員数によって変わり、従業員1〜20人の事業者は2,500万円、101人以上では7,000万円が基本の上限です。


さらに、賃上げ特例を適用すると上限額が引き上げられ、最大で9,000万円まで補助を受けられます。ただし、特例を使う場合は賃上げの達成が前提です。未達の場合は、補助金の返還を求められることがあります。


応募の要件

対象は、日本国内に本社と事業実施場所がある中小企業などです。申請には事業計画の策定に加えて、付加価値額の向上や賃上げに関する要件を満たす必要があります。


賃上げ特例を適用するには、1人あたりの給与支給総額を年平均6.0%以上増加させることに加え、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より50円以上高い水準にする必要があります。また、申請は電子申請システムで行うため、GビズIDプライムアカウントが必要です。



募集期間

第1回公募の申請受付は、2026年9月30日18時に始まりました。応募の締切は10月30日18時厳守、採択の発表は2027年1月頃の予定です。


2026年10月時点では受付期間中ですが、締切までの期間が限られているため、申請を検討している場合は早めの準備が必要です。なお、間に合わない場合は、次回以降の公募の有無や日程を公式サイトで確認しておきましょう。


②小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、事業者が策定した経営計画にもとづいて販路開拓に取り組むための費用の一部を補助する制度です。なお、経営計画を策定する際は、商工会や商工会議所の支援を受けられます。小さな規模から越境ECに挑戦したい事業者にとって、使いやすい制度といえます。


ECサイトの構築は、対象経費のうちウェブサイト関連費に当たります。ただし、この費用だけでは申請できません。チラシの作成や展示会への出展など、ほかの販路開拓の取り組みと組み合わせて計画を立てる必要があります。



補助金額

一般型・通常枠の補助上限額は50万円です。要件を満たす場合はインボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされます。両方の特例を適用した場合の上限額は250万円です。補助率は原則として2/3で、賃金引上げ特例に該当する赤字事業者は3/4に引き上げられます。


越境ECで気をつけたいのが、ウェブサイト関連費の上限です。第20回の公募要領では補助上限額が設けられており、ウェブサイト関連費だけで申請することはできません。ECサイトの構築費用を計上する場合は、ほかの対象経費との組み合わせも含めて事業計画を立てる必要があります。



応募の要件

対象は、常時使用する従業員が一定数以下の小規模事業者です。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下が目安になります。会社のほか、個人事業主も対象に含まれます。


申請するには、商工会または商工会議所の支援を受けながら経営計画書を作成し、事業支援計画書(様式4)の発行を受ける必要があります。なお、電子申請ではGビズIDが求められるため、早めに取得しておきましょう。


募集期間

一般型・通常枠の第20回は、2026年11月5日に申請受付が始まり、締切は12月15日17時です。商工会・商工会議所で事業支援計画書を発行してもらうための受付は、12月4日までと、申請締切より早く設定されています。


採択結果の発表は、2027年3月ごろの予定です。計画書の作成や見積書の取得を考えると、受付が始まる前から準備を進めておく必要があります。


③デジタル化・AI導入補助金

デジタル化・AI導入補助金は、旧IT導入補助金から名称が変更された制度で、AIを含むITツールの導入による業務の生産性向上を支援します。


ここで注意しておきたい点が、ECサイトの構築費用は現在も補助の対象外であるということです。この補助金は、越境ECサイトそのものを作るための制度ではありません。


一方で、決済システムや在庫管理システム、受発注や顧客管理のシステムなど、越境ECの運営を支えるITツールの導入には利用できます。ただし、対象は事務局に登録されたITツールに限られます。



補助金額

主な申請枠は、通常枠とセキュリティ対策推進枠です。通常枠の補助率は1/2以内で、賃金に関する一定の条件を満たすと2/3になります。補助額は、導入するITツールがカバーする業務プロセスの数で決まります。1〜3プロセスで5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下です。


セキュリティ対策推進枠は、サイバー攻撃への対策サービスの導入が対象です。補助額は5万円から150万円まで、補助率は1/2(小規模事業者は2/3)です。EC運営では情報漏えい対策も重要なため、あわせて検討してもよいでしょう。


応募の要件

対象は、日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者などです。なお、資本金や従業員数の基準は業種ごとに定められています。


この補助金は、事務局に登録されたIT導入支援事業者と共同で申請し、その事業者が提供する登録済みのITツールを導入する仕組みです。また、申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。ただし、交付決定の前に契約や発注、支払いをしたITツールは、補助の対象外となります。


募集期間

通常枠とセキュリティ対策推進枠は、年間を通じて複数回の締切が設定されています。第5次の締切は2026年9月29日で、すでに終了しました。次の第6次の締切は10月30日17時で、交付決定は12月10日ごろの予定です。


公募は複数回に分けて実施されていますが、次回以降の締切日は確定しているとは限りません。最新のスケジュールは公式サイトで確認してください。



越境ECで利用する補助金選びのポイント

越境ECで使える補助金は複数あり、対象となる経費や条件、スケジュールはそれぞれ異なります。ここでは、自社に合った制度を選ぶための判断基準を、4つの視点から解説します。


制度の内容

最初に確認したいのは、補助の対象となる経費が自社の実施したい取り組みと合っているかどうかです。同じ越境ECでも、必要な投資は事業者ごとに異なります。


たとえば、海外向けの販売システムの構築や、翻訳・海外渡航といった輸出体制の強化なども含めて取り組むなら、グローバル枠が候補になります。チラシや展示会などを組み合わせた小規模な販路開拓なら、持続化補助金が向いています。決済や在庫管理などのシステムを導入したい場合は、デジタル化・AI導入補助金が選択肢です。


募集期間

募集期間は、受付中かどうかだけでなく、公募の頻度や準備にかかる期間まで見て判断します。デジタル化・AI導入補助金のように年間で複数回の締切が設けられている制度では、次回以降の公募も視野に入れながら準備を進められますが、公募回数が限られる制度は、1回の機会を逃すと次まで待つことになります。


事業計画書の作成には、1〜2か月以上かかる場合もあります。締切から逆算して準備を始められるか、補助事業の実施期間まで含めて計画に無理がないかを確認しましょう。


採択率

補助金は、申請すれば必ず受けられるわけではなく、審査を経て採択された事業者だけが対象です。採択率は制度や公募回数によって大きく異なり、補助額の大きい制度ほど、事業計画の具体性や実現可能性が厳しく問われる傾向があります。


採択率は、各制度の公式サイトで公表されている採択結果から確認できます。過去の数字を参考にしつつ、自社の計画で無理なく審査に臨める制度を選びましょう。


手続きの負担

申請時の書類作成だけでなく、採択後の手続きまで含めて、社内で対応できる体制があるかを見極めることが大切です。採択後には、交付申請や実績報告、事業化の状況に関する報告などが求められる制度があります。


少人数で運営している事業者は、商工会・商工会議所や認定経営革新等支援機関といった、外部の支援機関に相談する方法もあります。申請や報告に必要な工数を見積もり、補助額だけでなく、対象経費や自己負担額も踏まえて制度を比較しましょう。


越境ECの補助金を利用する際の注意点

補助金には、申請の準備から交付後まで、押さえておきたい注意点が数多くあります。ここでは、申請から補助金の受給後までに注意したい5つのポイントを解説します。


補助金の趣旨に沿った事業計画を記載する

補助金は、国や地方自治体が政策の目的に沿った取り組みを支援するための制度です。そのため「海外向けのECサイトを作りたい」という思いだけでは、審査で評価されにくくなります。


計画書には、なぜ海外市場を目指すのか、どの国の誰に売るのか、競合とどう差別化するのかを具体的に記載しましょう。あわせて、現実的な収支計画と、配送や返品対応まで含めた物流の計画も示すことが大切です。販売後の運用まで見通した計画のほうが、実現可能性を伝えやすくなります。


準備から交付までに時間がかかることを考慮する

補助金は、申請の準備から交付決定までに時間がかかります。たとえば、電子申請に必要となるGビズIDプライムアカウントは、発行まで最大1か月を要する場合があります。制度によっては、一般事業主行動計画の公表も必要で、掲載まで2週間程度を見込まなければなりません。


さらに、申請後には審査があり、採択の発表までに数か月を要することも珍しくありません。申請から交付決定、事業の開始までの流れを逆算し、余裕のあるスケジュールを組みましょう。


ここで必ず守りたいのが、交付決定の前に契約や発注をした費用は、原則として補助の対象外になるというルールです。早く始めたい気持ちがあっても、交付決定を待ってから動き出しましょう。



補助金は事業完了後に支払われる

補助金は、原則として事業の完了後に支払われます。補助金適正化法では、交付の決定(第6条)、実績報告(第14条)、補助金額の確定(第15条)の順に手続きが定められており、額が確定してはじめて支払われます。採択されたからといって、すぐに入金されるわけではありません。


そのため、事業にかかる費用は、自社で立て替える必要があります。申請から入金までは半年から1年程度かかることもあるため、自己資金の確保が欠かせません。資金が足りない場合は、金融機関に「つなぎ融資」を相談しておくと安心です。



交付後も定期的な報告が必要な場合がある

補助金を受給したあとも、制度によっては事業の成果や賃上げ状況などについて報告が求められます。制度によっては、事業の成果を確認するための報告が、交付後も数年にわたって求められます。


また、賃上げなどの要件を計画どおりに達成できなかった場合は、補助金の返還を求められることがあります。報告の期限や内容は制度ごとに異なるため、申請前に公募要領で確認し、交付後の担当者や管理の流れも決めておきましょう。


制度の内容が年度ごとに変わりやすいため情報をこまめに確認する

補助金の制度内容は、予算や政策方針などに応じて変更されることがあります。


たとえば、デジタル化・AI導入補助金の前身であるIT導入補助金は、2024年以降にECサイト構築費が対象から外れました。2026年度には、ものづくり補助金と新事業進出補助金が統合されています。持続化補助金も、第20回でウェブサイト関連費の扱いが変わりました。


公募要領が、公募の開始後に改訂されることもあります。過去の記事や前年度の事例だけを頼りにせず、各制度の公式サイトにある最新の公募要領を必ず確認してください。


まとめ

越境ECに利用できる補助金には、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、小規模事業者持続化補助金、デジタル化・AI導入補助金の3つがあります。対象経費や締切、手続きの負担を比べて、自社に合う制度を選びましょう。後払いの仕組みを踏まえた資金計画も欠かせません。


補助金を活用して越境ECを始めたあとに、多くの事業者が直面するのが、高額な海外返品送料や、現地での物流オペレーションの複雑さです。グローバル返品サービスのReturn Helperは、世界17か国以上の現地倉庫を活用し、海外からの返品の受け取りから再販、日本への同梱返送まで、ワンストップで効率化します。


補助金による事業拡大とあわせて、購入後の返品コストの最適化もぜひご検討ください。越境ECの返品対応でお悩みの際は、Return Helperへお気軽にご相談ください。

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