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越境ECとは?メリット・デメリットや出店の方法と準備を解説

8月18日
読了時間: 10分

更新日:4 日前

海外進出を考え始めている経営者の方は、多いのではないでしょうか。国内売上の伸びが鈍化する一方で、SNS経由で海外ユーザーからのニーズも増えています。人口減少が続く国内市場だけに頼らず、海外に販路を広げたいと考えるのは自然な流れです。


とはいえ、越境ECには輸送費や各国の法規制など、国内販売にはない注意点も存在します。本記事では、越境ECの基礎知識から出店の選択肢、参入までに必要な実務の流れを解説します。


越境ECとは?

越境ECとは、国境を越えて行われる電子商取引のことです。自社のECサイトや海外のモールを通じて、海外の消費者に商品を販売する仕組みを指します。いわば、実店舗を持たずに世界中へ出店できる仕組みだとイメージすると、わかりやすいでしょう。


国内市場が縮小するなか、越境ECは新たな売上の柱として注目を集めています。


越境ECの市場規模

海外の市場調査会社の推計によると、世界の越境EC市場規模は2024年時点で約1.01兆USドル、日本円にしておよそ152兆円とされています。今後10年でさらに拡大し、2034年には1,000兆円規模に達するとの予測もあり、年平均で20%台の高い成長率が見込まれています(具体的な予測値は調査機関により幅があります)。


なお、日本の事業者にとって特に関わりの深い日本・米国・中国3か国間の越境EC市場動向については、経済産業省が2025年8月に公表した「令和6年度電子商取引に関する市場調査」に実績データがまとめられています。


日本からの販売という視点で見ると、2024年に米国の消費者が日本の事業者から購入した金額は、前年から8.0%増加し、1兆5,978億円となりました。中国の消費者による購入額は、前年から8.5%増加の2兆6,372億円です。いずれも前年から着実に増加しており、日本製品に対する海外需要の高さがうかがえます。


国内市場が今後大きく伸びるとは考えにくいなかで、海外にはまだ開拓できていない大きな市場が広がっているのです。


出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」(https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005.html


越境ECの需要が拡大している背景

越境ECの需要が拡大している背景には、スマートフォンの普及や国際的な決済手段の充実に加え、訪日外国人によるリピート購入があります。旅行先で気に入った日本製品を、帰国後にインターネットで買い足す消費行動は珍しくありません。旅行後も日本ブランドとのつながりが続くこうした現象は「旅アト消費」と呼ばれています。


実際に、旅行中に購入した現地の商品を帰国後も越境ECで買い直した経験がある人の割合は増加傾向にあります。とくに食品や雑貨など、品質への信頼が購入の決め手となりやすい商材は、この動きと相性がよいといえます。


国内でのファン化にとどまらず、海外の顧客とも継続的な関係を築ける点は、越境ECならではの強みです。


越境ECのメリット・デメリット

越境ECには、商圏を拡大できるという大きな魅力がある一方で、注意すべき点も存在します。双方を理解したうえで、参入を判断する材料にしてください。


越境ECのメリット

越境ECの最大のメリットは、国内に限定されず、商圏を拡大できることです。人口減少が続く日本と異なり、米国や中国には巨大な消費市場が広がっています。実店舗を構えずに参入できるため、初期費用を抑えながら海外進出できる点も魅力です。


また、日本製品は品質への信頼から、海外でも高い人気があります。とくに食品やアパレル、雑貨などは、ブランド力そのものが購入を後押しするでしょう。海外向けの販売には、消費税が免除される輸出免税という仕組みもあり、価格面でのメリットも見込めます。


越境ECのデメリット

デメリットとして、日本から海外へ荷物を送るため、輸送費や関税といったコストが国内配送よりも高くなりやすい点が挙げられます。輸送に時間がかかる分、破損や紛失のリスクもわずかに高まるため注意が必要です。


加えて、販売する国ごとに異なる法律や規制への対応も欠かせません。化粧品や食品など規制対象となる商材を扱う場合は、米国当局への事前申告や中国当局への登録など、国によって求められる手続きが異なります。


さらに、海外からの返品が発生した際の対応にも手間がかかり、これらすべてが利益を圧迫する要因のひとつです。こうしたコスト面や法規制、返品にまつわる課題については、後の章でそれぞれ詳しく解説します。


越境ECの出店形態

越境ECの出店方法は、大きく分けて3つのパターンがあります。予算やリソースに応じて、自社に合ったスタイルを選びましょう。まずは集客力のあるモールでスモールスタートし、ファンがついてきたら自社サイトでブランドの世界観を構築していく、いわばハイブリッド型の進め方もおすすめです。


自社で独自のECサイトを構築する

自社でECサイトを構築する方法は、デザインや機能を自由にカスタマイズでき、ブランドの世界観を伝えやすいのが特徴です。すでにShopifyなどで国内向けのECサイトを運営している場合は、多言語化ツールを導入することで、比較的スムーズに海外対応を進められます。


一方で、翻訳や決済、配送体制の整備に加え、集客も自社で行う必要があります。立ち上げまでに一定の準備期間がかかる点は、押さえておきましょう。


海外配送対応の国内ECモールを利用する

楽天市場やAmazon Japanなど、海外配送に対応した国内ECモールを利用する方法もあります。すでに国内向けに出店している場合は、海外販売機能を申し込むだけで対応でき、既存のオペレーションをほとんど変えずに始められる点が魅力です。


機械翻訳による商品ページの自動生成に対応しているモールもあり、越境ECを初めて試す際のハードルは低いといえます。


海外の現地ECモールを利用する

より本格的に海外展開を進めたい場合は、現地で信頼を得ているECモールへの出店も選択肢です。中国であれば天猫国際として知られるTmall Global、東南アジアであればShopeeなどが代表的です。現地の消費者に浸透しているプラットフォームを活用できるため、集客しやすいというメリットがあります。


ただし、出店には現地法人や代行業者との調整が必要になることが多く、国内モールに比べて参入のハードルは高くなります。


越境ECビジネスを始める際の準備

越境ECを始める際は、思いつきで進めるとつまずきやすいものです。ここでは、限られたリソースでも越境ECを運営していくための実務的な準備項目を、順番に解説します。


1:販売する商品を決める

越境ECに向いているのは、輸送効率のよい小型で高単価な商品です。壊れやすいものや重量のあるものは、輸送コストや破損リスクが大きくなります。たとえば、大きな家具は送料だけで利益が消えてしまうこともあるでしょう。


また、使い方を伝える動画コンテンツとの相性がよい商品であれば、言葉の壁がある海外の消費者にも魅力を伝えやすくなります。自社の商品が越境ECに向いているかどうか、まずは見直してみましょう。


2:ターゲット国を決める

ターゲット国を選ぶ際は、市場規模の大きさだけでなく、決済方法のわかりやすさや日本製品への親近感も判断材料になります。米国は市場規模が大きく、クレジットカード決済が中心のため、シンプルに導入しやすい国です。


中国や東南アジアなど、日本製品への信頼が厚いアジア圏との比較を通じて、自社の商品に合ったターゲットを見極めましょう。


3:現地の法律や税制、商慣習を確認する

たとえば化粧品や食品など規制対象となる商材を扱う場合、米国では、食品や医薬品を管轄するFDAへの事前申告番号の取得が必要になることがあります。中国でも、薬品監督当局であるNMPAへの登録が求められるケースがあります。欧州向けに販売する際は、個人情報の取り扱いを厳しく定めたGDPRにも注意が必要です。


関税についても、購入者負担が原則とされています。一方で、顧客体験を重視するブランドでは、販売者があらかじめ関税を負担するDDPという方式の導入を検討する価値があるでしょう。自社での判断が難しい場合は、専門家の知見を借りることをおすすめします。


4:予算と人員を確保する

越境ECは実店舗に比べて低コストで参入できます。ただし、予算や人員をかけずに成功できるほど簡単なビジネスではありません。サイトの翻訳費用や広告費、物流の委託費用などを見込んでおく必要があります。


短期間での黒字化にこだわらず、中長期的な投資を前提に予算を組んでおくことが大切です。


5:物流体制を整えておく

越境ECの物流体制は、大きく分けて自社の国内倉庫から直接発送する方法と、対象国の倉庫を活用する方法があります。参入初期は、初期費用を抑えられる直接発送から始めるのが現実的です。注文が入るたびに国内倉庫から個別に発送するこの方法は、ダイレクトラインとも呼ばれています。


売れ筋の商品や地域が見えてきた段階で、現地倉庫を活用した体制へ移行するとよいでしょう。あらかじめ現地の倉庫に在庫を置き、注文に応じて現地から発送するこの仕組みは、フルフィルメントと呼ばれます。配送のリードタイムを短縮でき、購入者の満足度向上にもつながります。


ただし、在庫を抱えるリスクや現地事業者とのやり取りの難しさもあるため、段階的な移行を検討しましょう。


返品・返金対応の手間や費用も要チェック

物流体制を整えるうえで、見落とされがちなのが返品対応です。国内の取引とは異なり、越境ECでは返品のたびに国際輸送が発生するため、そのコストと手間が経営の負担になりやすいという実態があります。


Return Helper株式会社と株式会社NEXERが共同で実施した「越境ECの返品対応に関する実態調査」では、海外からの返品1件あたりの平均コストは、送料や手数料を含めてどのくらいかを尋ねました。その結果、3,000円から5,000円未満までとの回答が最も多く、全体の4割を占めました。これは国内の返品コストの約5倍にあたる水準です。


では、事業者は海外返品のどこに負担を感じているのでしょうか。同調査で「海外返品で最も困っていること・負担に感じていることは何ですか」と尋ねたところ、返送料が高いことと、返品商品の状態確認に時間がかかることが、いずれも3割の回答で最多となりました。コストだけでなく、返品対応そのものに時間と手間がかかっている実態が浮かび上がります。


こうした負担を抱える事業者は、どのようなサポートを求めているのでしょうか。「返品対応で『こんなサービスがあれば助かる』と思うものは何ですか」という質問には、返品商品の検品・状態確認、再販売・再出荷の代行、多言語カスタマーサポートを求める声が、それぞれ3割という結果でした。返品を受け取って終わりにするのではなく、その先の検品や再販まで任せられる仕組みへのニーズが高いことがわかります。


海外返品は、送料をかけて日本へ引き取るしかないと考えられがちです。しかし、現地で受け取り、検品したうえで再販できれば、コストを利益に変えることも可能です。Return Helper株式会社では、世界17か国の現地倉庫で返品を受け取り、検品したうえで、良品であれば現地で再販するサービスを提供しています。


返品を単なる損失として処理するのではなく、収益機会として活用したい方は、Return Helper株式会社への相談を検討してみてください。



まとめ

越境ECは、国内市場の縮小が続くなかで、企業が新たな成長機会をつかむための有力な選択肢です。市場規模の大きい米国や中国から着手することで、早い段階から手応えを得やすくなります。


とはいえ、輸送コストや法規制、見落とされがちな返品対応まで、事前に把握しておくべき課題は少なくありません。なかでも返品にともなう負担は、対策を講じることで収益機会に変えられる部分でもあります。


本来注力すべきブランドの成長に集中しやすい環境をつくるためにも、物流や返品対応の実務は、Return Helper株式会社が運営する「Return Helper」や「FlexForward」のような専門パートナーに任せるのもひとつの方法です。越境ECへの参入を検討している方は、まず自社に合った準備から着手してみてはいかがでしょうか。


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