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【2026年版】越境ECの市場規模|世界の動向と最新トレンドを解説

3 時間前
読了時間: 17分

国内のEC市場は、成長率がゆるやかになりつつあります。そうしたなか、新しい成長の場として越境ECに注目する企業が増えています。


とはいえ、市場規模や国ごとの特徴を正しく把握しないまま参入すると、物流コストや返品対応で想定外の負担を抱えることも少なくありません。


本記事では、経済産業省の最新調査などをもとに、越境ECの市場規模や拡大の背景、中国・米国それぞれの特徴、そして参入時に直面しがちな課題までをまとめて解説します。



【2026年版】越境ECの市場規模

越境ECの市場は、世界的に見ても拡大が続いています。eMarketerの推計によると、2024年の世界のBtoC-EC市場規模は6.09兆USドル、EC化率は20.1%です。BtoC-ECとは、企業が一般の消費者に向けてインターネット上で商品やサービスを販売する取引を指します。


EC化率は、すべての買い物のうち、インターネットでの購入がどれくらいの割合を占めているかを示す指標です。つまり、世界全体で見れば、買い物のおよそ5件に1件はすでにオンラインで完結している計算になります。


こうした流れのなかで、日本・米国・中国の3か国間の越境ECも、それぞれの国の消費者行動や物流環境を反映しながら独自の広がりを見せています。


ここでは、経済産業省が2025年8月に公表した、2024年の実績にもとづく「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」をもとに、直近の市場規模とEC化率、今後の拡大予測を確認していきましょう。


日本・米国・中国の越境EC市場規模

2024年の3か国間の越境BtoC-EC市場規模を見ると、中国による日本と米国からの購入額は、合計5兆7,769億円でした。このうち、日本からの購入額が2兆6,372億円、米国からの購入額が3兆1,397億円です。


米国による日本と中国からの購入額は、合計2兆7,144億円でした。日本からの購入額が1兆5,978億円、中国からの購入額が1兆1,166億円となっています。一方、日本による米国と中国からの購入額は、合計4,410億円にとどまりました。米国からの購入額が3,945億円、中国からの購入額が466億円です。


日本からの輸出という視点で見ると、中国向けが約2兆6,000億円、米国向けが約1兆6,000億円に上ります。日本製品が、両国で一定の需要を集めていることがわかるでしょう。


一方で、日本の消費者が中国・米国から購入した金額は合計4,410億円にとどまり、両国による日本からの購入額と比べると、まだ小さな規模です。越境ECにおける「売り手」としての日本には、伸びしろが大きく残っているといえるでしょう。


出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(https://www.meti.go.jp/files/900018019.pdf#page=105


国ごとのEC化率

商取引全体に占めるECの割合を示すEC化率を、国別に比較してみましょう。2024年時点で、中国のEC化率は50.1%と突出しており、世界でもっとも高い水準です。一方、日本は14.17%で、世界13位にとどまっています。


中国と比較すると低い水準ですが、日本国内にはEC化の余地が残されているとも考えられます。国内の商取引がオンラインへ移行していく余地は、越境ECを含めた事業者にとって、中長期的な機会になり得るでしょう。


出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(https://www.meti.go.jp/files/900018019.pdf#page=108


EC市場規模の拡大予測

世界の越境EC市場規模は、2024年時点で1.01兆USドルと推計されています。この規模は、2034年には6.72兆USドルにまで拡大すると予測されており、2025年から2034年の年平均成長率(CAGR)は約23.1%に達する見通しです。CAGRとは、複数年にわたる成長を1年あたりに均して表した伸び率のことで、市場が毎年どれくらいのペースで拡大しているかをつかむ目安になります。


拡大の背景には、消費者側では越境ECの認知度の向上や自国にない商品への関心があります。事業者側では、世界へ販売先を広げようとする積極的な姿勢や、AIによる自動翻訳・在庫管理といった技術の進歩も後押ししています。


こうした複数の要因に支えられた成長であることを踏まえると、越境ECは一時的な流行ではなく、中長期的に投資価値のある市場だと考えられます。


出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(https://www.meti.go.jp/files/900018019.pdf#page=103




越境ECの市場規模が拡大している背景

越境ECがここまで拡大してきた背景には、消費者の購買環境と事業者を取り巻くインフラ、双方の構造的な変化があります。ここでは、消費者側と事業者側、それぞれの背景を整理します。


消費者側の背景

消費者が越境ECを利用するようになった背景には、2つの要因が重なっています。日常的な購買環境の変化と、実際に海外の商品に触れる機会の増加です。ここでは、その具体的な内容を見ていきましょう。


インターネットやスマホの利用者が増加した

越境ECが広がった土台には、インターネットとスマートフォンの利用拡大があります。総務省の調査によれば、2024年時点で日本のインターネット人口普及率は85.6%です。世帯あたりのスマートフォン保有率も、90.5%に達しています。


経済産業省の調査では、2024年の物販系BtoC-EC市場規模のうち、スマートフォン経由の取引は61.7%を占めるまでになりました。越境ECを含めたEC市場全体を下支えする、基礎的な環境が日本国内でも整ってきたといえるでしょう。


出典:総務省「令和6年通信利用動向調査」(https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000178.html


出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(https://www.meti.go.jp/files/900018019.pdf


訪日外国人のリピート購入需要が増加した

日本を訪れた外国人が、帰国後も気に入った商品を買い続ける消費行動は「旅アト消費」と呼ばれ、越境ECを押し上げる要因のひとつになっています。


経済産業省の調査に引用されたBEENOSグループの調査によると、旅行中に気に入った日本の商品やブランドを、帰国後に越境ECで再度購入した経験者は、2024年に44.0%に上りました。2023年の35.4%から増加しています。


再購入の理由としては「自国では買えないため」が60.0%ともっとも多く挙がりました。

次いで「ブランドやショップのファンになった」が45.6%、続いて「商品が気に入った」が39.9%と続きます。


2024年の訪日外客数も、中国が約698万人、米国が約272万人と、前年から大きく伸びました。こうした訪日体験が、リピート購入につながっていると考えられます。


出典:BEENOS「越境ECを利用する海外のお客様1,345名に聞いた、越境ECの利用意向に関する意識調査」(https://beenos.com/news-center/press-release/20250106_bns_pr/


円安によって日本の商品を買いやすくなった

為替の動きも、海外消費者にとって日本製品の割安感を強める要因になっています。BEENOSグループの調査によると、海外の消費者の6割以上が、円安をきっかけに越境ECの利用が増えたと回答しています。


価格面でのハードルが下がったことで、これまで日本製品を検討していなかった層にも、購入者層の裾野が広がりつつあります。


出典:BEENOS「6割以上が『円安後に越境ECの利用が増えた』~越境ECを利用する海外のお客様1,900名にアンケート~」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000464.000035599.html


事業者側の背景

消費者側の変化と並行して、事業者を取り巻く環境も大きく様変わりしました。以前は限られた企業しか取り組めなかった越境ECが、幅広い企業にとって現実的な選択肢になった背景を見ていきましょう。


海外展開を意識する企業が増加した

国内市場の成長がゆるやかになるなか、少子高齢化も重なり、国内の消費者だけを対象とした事業モデルには限界も見えはじめています。


そうした状況のもと、海外に新たな販路を求める企業が増え、越境ECはその選択肢のひとつに位置付けられるようになりました。とくに、独自性の高い商品やブランドを持つ企業ほど、海外に目を向けたときの伸びしろは大きいといえるでしょう。


ツールやインフラが整備されて参入障壁が低下した

以前の越境ECは、物流や決済、言語対応といった面で参入障壁が高く、一定の体力がある企業でなければ取り組みづらいものでした。しかし近年は、ShopifyをはじめとするECプラットフォームが、多言語・多通貨対応を標準で備えるようになりました。翻訳や決済、税関手続きを代行する支援サービスも、数多く登場しています。


こうしたインフラの整備により、専門知識や大きな初期投資がなくても、中小規模の事業者が越境ECに取り組みやすい環境が整ってきました。


SNSによって海外の顧客へアプローチしやすくなった

SNSの普及により、事業者は多額の広告費をかけなくても、海外の消費者へ直接情報を届けられるようになりました。とくに写真や動画を通じて商品の質感や使い方が伝わりやすいSNSは、言語の壁を越えて興味を持ってもらうきっかけになりやすく、越境ECと相性のよいチャネルです。



中国の越境EC市場の特徴

中国は世界最大級のEC市場であり、日本製品への需要も高いことから、越境ECを検討するうえで欠かせない市場です。ここでは、中国の利用者数や市場規模、主なプラットフォーム、決済手段について解説します。


出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(https://www.meti.go.jp/files/900018019.pdf#page=106-109


中国のEC利用者は9億人以上!

中国でオンラインショッピングをする人口は、2024年時点で9億2,261万人に達しています。全人口の76.8%を占めており、この人数は、日本の約11倍に当たります。人口規模は、市場のポテンシャルの大きさを裏付ける要素のひとつといえるでしょう。


中国の越境EC市場は今後も拡大が見込まれる

中国の越境EC市場規模は、2024年時点で1,773億USドルと推計されました。前年比7.4%の増加です。2026年には2,028億USドルまで拡大すると見込まれています。


では、なぜ中国の消費者は、これほど積極的に越境ECを利用するのでしょうか。中国の消費者が越境ECを利用する理由としては、国内で入手できない商品を購入できることが52%ともっとも多く挙がりました。次いで、正規品などを信頼できる販売先から購入できることが44%、高品質であることが41%と続きます。


中国国内では、偽物や粗悪品への不安が根強く残っています。越境ECを通じて安心して購入できる商品を手に入れたいという心理が、こうした数字の背景にあると考えられます。とくに日本ブランドは、品質への信頼という観点で高い評価を得やすく、今後も安定した需要が見込まれるでしょう。


中国における主なECプラットフォーム

中国のEC市場は、2024年時点でアリババグループが39.8%、京東(JD.com)が16.5%、拼多多(ピンドゥオドゥオ)が16.4%、抖音(ドウイン)が14.3%のシェアを占めています。上位4社で、市場の87.0%を占める計算です。


かつてはアリババグループが運営する天猫国際(Tmall Global)が、圧倒的な存在感を放っていました。しかし、動画とライブ配信を通じてその場で購入につなげる抖音のようなプラットフォームが、着実にシェアを伸ばしています。


越境ECで中国市場に参入する場合は、こうした大手モールへの出店に加えて、ライブコマースを活用したプロモーションもあわせて検討する価値があるでしょう。


中国で主流の決済手段

中国ではキャッシュレス化が進んでおり、決済にはアリペイ(支付宝)やウィーチャットペイといった第三者決済サービスの利用が一般的です。クレジットカードの不正利用への警戒感が強いことも背景にあり、こうしたモバイル決済サービスが日常の買い物に深く浸透しています。


越境ECで中国向けに販売する場合は、自社サイトに独自の決済手段を用意するよりも、現地で普及しているこうした決済手段への対応が欠かせません。



アメリカの越境EC市場の特徴

米国は、中国と並ぶ大きな越境EC市場です。ただし、消費者の意識や購買行動には、中国と異なる特徴があります。ここでは、米国の消費者心理や主なプラットフォーム、決済手段を確認していきましょう。


アメリカの消費者が越境ECを利用する理由

米国の小売市場規模は、2024年に7兆3,783億USドルでした。そのうちEC市場規模は1兆1,902億USドルで、EC化率は16.1%まで上昇しています。


海外から商品を購入する理由については、DHLが2025年に世界24か国を対象に実施した調査が参考になります。全体でもっとも多い理由は「価格が安いから」で51%、次いで「自国でブランドや商品が手に入らないから」が47%、「品揃えの幅広さ」が44%でした。


米国を対象としたUPSの調査でも「価格の安さ」と「商品の入手可否」が中心的な動機として挙げられており、米国市場でも同様の傾向がうかがえます。


一方で、同じDHLの調査では、海外からの購入をためらう理由として詐欺への不安が52%でもっとも多く、配送に時間がかかることが46%、関税が43%と続いています。安さや品揃えの魅力だけでなく、こうした不安を解消することで、購入につながりやすくなると考えられます。



インフレにより割安志向の消費者が増加

物価上昇が続く米国では、実店舗より割安に購入できるECを選ぶ消費者が増えています。とくに、Temuやシーインといった中国発の低価格な越境ECプラットフォームの利用が急速に広がっています。価格重視の消費者層を、着実に取り込んでいるのです。


出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(https://www.meti.go.jp/files/900018019.pdf#page=113


アメリカにおける主なECプラットフォーム

米国のEC市場では、2024年時点でAmazonが40.86%と圧倒的なシェアを占めています。続くWalmartは8.39%にとどまります。上位2社で約半分のシェアを占めており、大手プラットフォームの存在感が非常に大きい市場です。


一方で、ブランド独自のD2Cサイトを支持する消費者も一定数存在します。大手モールへの出店と自社サイトの運営を組み合わせながら、販路を広げていく戦略も選択肢のひとつになるでしょう。


出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(https://www.meti.go.jp/files/900018019.pdf#page=115


アメリカで主流の決済手段

米国のオンライン決済では、デジタルウォレットの利用が拡大しています。2023年時点で37%のシェアを占め、2027年には52%まで伸びると予測されています。クレジットカードは32%、デビットカードは19%となっています。


クレジットカードに加えて、アップルペイやグーグルペイといったデジタルウォレットへの対応も重要です。決済の選択肢が少ないと、カート離脱の要因になりかねないため、あらかじめ複数の決済手段を用意しておくとよいでしょう。


出典:PCMI「North America's Most Popular Payment Methods」(https://paymentscmi.com/insights/most-used-payment-methods-north-america-united-states-canada/



昨今の越境EC市場をとりまくトレンド

越境EC市場は、2つの軸から進化を続けています。テクノロジーの進歩と、消費者の価値観の変化です。ここでは、押さえておきたい5つのトレンドを紹介します。


AIによる高度なパーソナライゼーション

AIを活用した自動翻訳やチャットボットによる接客、購買履歴にもとづくレコメンド機能により、言語の壁を越えた接客体験の質が向上しています。従来は現地語での問い合わせ対応が大きな負担でしたが、AIの活用によって24時間体制の多言語対応も現実的になってきています。


D2C

DtoC(Direct to Consumer)とは、メーカーが卸や小売を介さず、消費者に直接商品を届けるビジネスモデルです。仲介コストを省ける分、利益率を確保しやすくなります。ブランドの世界観をそのまま伝えられる点も、越境EC展開における魅力といえるでしょう。


自社サイトを通じて顧客と直接つながることで、購入データを蓄積できます。次の商品開発やマーケティングに生かしやすくなる点も、メリットのひとつです。


インフルエンサーマーケティング・ライブコマース

インフルエンサーによる紹介や、ライブ配信を通じてその場で購入につなげるライブコマースは、越境ECと非常に親和性の高い手法です。文字や静止画だけでは伝わりにくい商品の魅力も、動画であれば使用感や質感まで含めて伝えやすくなります。


とくに中国では、こうした動画の活用が浸透しており、今後も存在感を増していくと考えられます。


サブスクリプション

継続課金による収益モデルであるサブスクリプションは、顧客生涯価値(LTV)を高める手段として注目されています。LTVとは、1人の顧客が取引を続けるあいだに、どれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標です。越境ECのように、新規顧客の獲得コストがかさみやすい事業モデルにおいては、既存顧客に継続して利用してもらう仕組みづくりが、収益の安定につながります。


定期的に商品を届けるだけでなく、会員限定のコンテンツや特典を組み合わせる事例も増えています。顧客とのつながりを長期的に維持しようとする工夫だといえるでしょう。


サステナビリティと倫理性の重視

とくに欧米では、環境に配慮した梱包や、製品への責任を最後まで持つ企業の姿勢を重視する消費者が増えています。過剰な包装を見直したり、廃棄物の削減に取り組んだりする姿勢は、価格や品質と並ぶ選定基準のひとつになりつつあります。


こうした価値観への対応は、ブランドイメージを左右する要素です。越境ECにおいても、ますます重要になっていくでしょう。



越境ECへの参入時に直面しがちな課題

ここまで見てきたように、越境ECの市場規模は着実に拡大しています。ただし、市場が広がるのと同時に、物流や返品対応にかかるコスト負担も大きくなっている点には注意が必要です。ここでは、越境ECに参入する際に直面しがちな課題を整理します。


物流体制の構築

越境ECでは、配送のリードタイムを短くしようとすると送料が高くなります。一方で、コストを抑えようとすると、配送に時間がかかるというトレードオフに直面しやすくなります。日本から都度発送する体制のままでは、注文が増えるほど配送コストと対応工数が膨らみ、利益を圧迫しかねません。


現地に倉庫を確保し、在庫を分散させておくことで、配送スピードとコストのバランスを取りやすくなるでしょう。ただし、現地に自社で拠点を構えるには、初期投資や人員確保の負担も避けて通れません。複数国に倉庫網を持つ物流サービスを活用する方法もあり、取り扱う商材や販売数量によって適した配送方法は異なるため、自社の状況に合わせて比較検討するとよいでしょう。


返品時の返金・交換対応の考慮も必要

越境ECの利用者が増えるほど、返品や返金の件数も比例して増えていきます。返品対応は手間がかかるだけでなく、送料や検品にかかるコストが利益を圧迫する要因にもなります。では、実際に海外からの返品には、どれくらいのコストと手間がかかっているのでしょうか。


株式会社NEXERとReturn Helper株式会社が共同で実施したアンケート調査では「海外からの返品1件あたりの平均コスト(送料+手数料)はどのくらいですか?」という質問に対し、最も多かったのは「3,000円〜5,000円未満」で40.0%でした。


【海外からの返品1件あたりの平均コスト(送料+手数料)】


平均コスト(送料+手数料)/1件あたり

回答割合(n=20)

1位

3,000円~5,000円未満

40%

2位

1,000円~3,000円

35%

3位

1,000円未満

15%

※調査期間:2026年5月18日 ~ 5月24日

※調査対象者:事前調査で「越境ECに関わる業務経験がある」と回答した全国の男女20名


返品は売上につながらない作業でありながら、1件ごとに数千円規模のコストが発生します。こうした積み重ねが、越境ECの利益を少しずつ圧迫する要因のひとつになっているのではないでしょうか。


同調査では「返品対応のフロー完了までにかかる平均日数はどのくらいですか?」とも尋ねており、最も多かったのは「3日〜1週間未満」で40.0%でした。次いで「3日未満」「1〜2週間未満」「2週間〜1か月未満」がいずれも20.0%で続きました。また「海外返品で最も困っていること・負担に感じていることは何ですか?」という質問には「返送料が高い」と「返品商品の状態確認に時間がかかる」がそれぞれ30%でもっとも多く挙げられています。


数日で完了するケースがある一方、1か月近くかかるケースも見られ、対応日数にはばらつきがあります。対応に時間がかかるほど、その間は商品を在庫としても売上としてもカウントできません。コストだけでなく時間の負担も、越境EC事業者にとって見えにくいロスにつながっているといえるでしょう。


実際、米国の小売市場全体で見ても、2024年の返品総額は8,900億USドルに達する見通しで、新型コロナウイルス感染症拡大前の2倍以上に膨らんでいます。返品を前提とした利益設計と、現地での検品・再販といった仕組みを、参入前の段階から用意しておくことが欠かせません。


出典:日本貿易振興機構「2024年の米小売市場の返品総額は8,900億ドルに達する見通し、新型コロナ感染拡大前の2倍以上に拡大」(https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/12/f9ffc99c4b6de079.html



<h3>現地の法規制や商習慣への対応</h3>

国によって税関手続きや輸入規制は異なります。商品カテゴリーによっては、現地特有の認証や表示義務が課されるケースもあり、インボイスの記載内容を巡るトラブルや、通関で商品が止まってしまう事態にもつながりかねません。


法規制は、一度確認すれば終わりというものではありません。税制や輸入規制は各国の事情によって見直されることもあり、参入後も定期的に最新情報を確認し続ける体制を整えておくことが重要です。


出典:日本貿易振興機構「輸出入に関する基本的な制度」(https://www.jetro.go.jp/world/trade.html


カスタマーサービスを充実させる

越境ECでは、多言語対応はもちろんのこと、返品対応の質そのものがリピート率を左右します。問い合わせへの対応が遅かったり、返品の手続きが煩雑だったりすると、せっかく獲得した顧客が離れてしまいかねません。


時差のある地域とやり取りする場合は、対応可能な時間帯や返信までの目安をあらかじめ明示しておくだけでも、顧客の安心感は大きく変わります。購入後の体験まで含めて設計することが、長期的な顧客関係につながるでしょう。



まとめ

越境ECの市場規模は、日本・米国・中国のいずれでも拡大を続けており、今後も世界的な成長が見込まれています。中国では品質への信頼、米国では価格や返品のしやすさなど、消費者が求めるものは国ごとに異なり、それぞれに合わせた戦略が欠かせません。


ただし、市場が伸びるほど、返品や物流にかかるコスト負担も大きくなっていきます。売上を伸ばすことだけでなく、返品や物流をどこまで最適化できるかが、越境ECで利益を残せるかどうかを分ける鍵になるでしょう。


Return Helperは、世界15か国の倉庫網を生かし、現地での検品・再販まで含めた返品対応をワンストップで支援しています。海外からの返品コストや物流体制にお悩みでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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